提供 日本インタビュ新聞 Media-IR 2008.11 |特集
松田産業は、資源・環境・食品の時流に乗る割安有望銘柄 |
松田産業<7456>(東1)は、2008年11月17日から同年12月19日までの期間で上限50万株(上限金額6億円)の自己株式取得を実施中。1株当りの株主価値の向上を図ることが目的。株価は、全体相場の安いことにも引っ張られて11月21日に763円まで下げたが、自己株式取得や時流に乗る事業内容への見直しなどから920円台へ急速に戻している。 同社の事業を、今年9月中間決算中心に紹介しよう。セグメントでは大きくは2つ。「貴金属関連事業」と、「食品関連事業」。貴金属関連事業の中は、さらに、2つに分かれて貴金属部門と環境部門となっている。このため、「部門」という捉え方で見れば、「貴金属部門」「環境部門」「食品部門」という3本柱経営ということになる。 08年9月中間決算は、去る11月14日に発表。売上高は1100億8100万円と前年同期比19.1%増加し半期としては初の1000億円台乗せ。営業利益でも54億500万円と同比16.3%増と2ケタの増益と好調だった。 このうち、「貴金属関連事業」は売上高848億8600万円と前年同期比21.5%の増加。全体の売上の77.1%を占めた。貴金属部門では、貴金属リサイクル事業の主要対象業種である半導体・電子部品業界の生産活動は一部において在庫調整の影響が見られたものの、リサイクル原料の集荷は好調。金、銀、プラチナ、パラジウムの販売単価が前年同期を上回った。環境部門では同社の強みの全国での収集・運搬ネットワークを生かした営業で取扱い数量が伸長した。 「食品関連事業」は、売上高は252億2800万円と前年同期比11.5%の伸長。すりみなどの水産品では数量が減少したが、高級品を中心とした販売価格の上昇が寄与した。 今3月期は売上高は2.7%増の2000億円と大台に乗る。利益については貴金属、非鉄金属相場が下落していること及び半導体・電子部品メーカーをはじめとする製造業の生産動向が弱含んでいるため、営業利益では20.8%減の72億円と慎重見通し。予想1株利益は149.5円、配当は年24円を継続する。 今後、中期的には貴金属関連事業を拡大・成長の牽引役部門として位置付け、食品関連事業を安定的成長部門と位置付ける。特に、貴金属部門は「東アジアNO1のリファイナー」を目指す。国内外において電子材料、化成品等の販売及び貴金属リサイクル原料回収の拡大を図る。タイ、フィリピン、シンガポールの現地法人に加え、新たに中国に現地法人を設立。タイ現地法人では精錬工程を稼動など海外の強化を進めている。 予想1株利益でのPERは6.1倍にすぎない。資源、環境、食品の時流に乗るテーマ性から見て割安有望銘柄である。 |
●好業績・成長期待の自社株買い銘柄(順不同)
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