提供 日本インタビュ新聞 Media-IR 2008.12 |特集
アクセル 独自の技術力を強みに差別化を図り上場以来5期連続の増収増益基調を継続 |
世界的な景気減速懸念を背景に半導体不況に苦しむ企業が多いなか、アクセル<6730>(東2)は独自の高い技術力を強みに他社との差別化を図り、02年12月の上場以来5期連続の増収増益基調を継続し、今09年3月期も最高益更新となる見通し。11月17日にはジャスダックから東証2部への上場を果した。 同社は、アミューズメント機器(パチンコ・パチスロ機器)市場向け、及び組み込み機器市場向けに、グラフィックスLSIを中心とする各種LSIの開発・販売を手がける、研究開発型のファブレス半導体メーカ。 主力市場のアミューズメント機器向けの描画表示用半導体製品である「AG−2」シリーズは、年間500万台とされるパチンコ・パチスロ機市場でシェア約50%獲得の実績を持つ。 一方の組み込み機器市場向けの描画表示用半導体製品「AG−9」シリーズは、家庭内情報端末、医療機器、POS端末、券売機、商業施設等の館内案内、大型建設車両のバックモニタなどの画像表示システムに搭載されている。 10月27日発表の第2四半期決算(非連結)は、売上高74億9800万円(前年同期比53.5%増)、経常利益31億7200万円(同41.1%増)、純利益19億3800万円(同42.3%増)と足もとの業績は好調そのもの。大型液晶表示装置を搭載したパチンコ機器の製造動向は堅調に推移している模様。 アミューズメント機器市場向けグラフィックスLSI製品は、前年同期にパチスロ機器の入替需要があった反動で販売数量としては3%程度減少したが、前述の「AG−2」シリーズから高付加価値化を実現した「AG−301」への移行が順調に進んでいることから、売上高ベースでは約33%の増収となった。 また、新たに独自開発の動画像圧縮伸長技術「RM3」の開発を完了し、高い圧縮率を実現した従来製品をさらに上回る圧縮率とコンパクトかつ高速な処理を実現している。今後、次世代グラフィックスLSI製品への技術搭載に向けた開発を推進し、その他組み込み機器に向けた応用を検討していくという。 通期業績予想は、売上高147億9000万円(前期比7.2%増)、経常利益60億9000万円(同1.5%増)、純利益37億2000万円(同2.5%増)、1株利益2万9594円27銭を見込む。株主還元にも厚く、配当性向は50%を目標としている。今期は第2四半期末、期末とも7500円ずつの年間1万5000円(前期1万4500円)配当を予定。 財務に関しても、有利子負債ゼロ、第2四半期末の現金及び現金同等物110億7000万円、自己資本比率も前期の76.7%から上昇し82.6%と好内容である。 なお、12月1日から09年2月28日までの設定で、2000株(発行済株式総数の1.59%)・8億円を上限とする自己株式の取得を決議している。 |
●最高益更新銘柄 「増益維持」はキラリと光る存在(順不同)
>>総論へ戻る