Q.『相場の地合いが良いとか悪い』ということを聞きます。なんとなくは分かるのですが、どういうことですか?。 |
おっしゃるように、皆さん、なんとなく分かっていらっしゃるのですが、改めて、何んだ、ということになると説明し難いものです。独特の相場用語です。普通一般に近い言葉としては「流れ」だろうと思います。流れ、といっても川の水の流れではなく、「勢い」とか「空気」、「雰囲気」、「ムード」といった、いわゆる漠然としたものです。しかし、そこには、なんとなく「強い」とか「弱い」といった印象を感じさせるものが漂っています。
たとえば、テレビの野球観戦で、贔屓(ひいき)チームの試合の流れ、ムードが良いとか悪いという印象を受けることはあります。ノーアウト満塁で1点も取れなかったような時です。実際に戦っている選手もそうですし、ファンだって嫌な雰囲気です。相手チームの攻撃の順番となれば、きっと点を取られるだろうと思ってしまいます。予感通り、攻められて点を奪われそうになるものです。しかし、なんとか凌いで点を与えることなく守り抜いたとします。こういう日のチームは、いつもと違う、ムード、流れが良い。いわゆる、チームの地合いが良いということになります。
相場においても下げそうで下げない時はあるものです。こういう時は点を取られそうで取られないのと似ています。地合いが強い相場である、と判断します。反対に上げそうで上げない時は、地合いが弱い相場ということです。何を基準に地合いが強い、弱いを判断するか。これといった決め手はありません。
日頃から相場の流れを注意深く見ることが大切であることは、もちろん言うまでもありません。強いて、ひとつの見方としては、「上げに対する下げの状態」、あるいは、「下げに対する戻りの状態」を見ることは参考になると思います。たとえば、09年7月に日経平均が9連騰した時のようなケースです。普通は誰だってある程度の調整はあると見ます。実際、7月末にかけて日経平均は調整となりました。しかし、調整は小幅だったため、「相場の地合いは強い」と判断され、日経平均は8月に年初来高値を更新しました。このように、『上げた後の調整幅』、『下げた後の戻り幅』を見ることで、ある程度相場地合いの強弱が判断できます。