Q.昔は、「政治に売りなし」と言われたようで、政治が株価へ影響を与えることはなかったように聞きます。今は、基本的なところ、政治と株価の関係はどうなのでしょうか。 |
基本的な大きな枠組みということで言えば、政治が、「資本主義」から、「社会主義」や「共産主義」へ変らない限り、株価への影響はないと言えます。もしも、社会主義や共産主義に体制が変れば、企業の自由な活動が縛られるからです。
資本主義という枠組みの中で、政治が株価(相場)へ影響を与える場合は、「税制」や「規制」などが考えられます。法人税が引き上げられたり、キャピタル課税、配当課税が強化されたりすると相場に響きます。また、日本が打ち出しているCO2削減が企業を縛る規制となって収益を圧迫するようなら相場に影響します。会計基準の変更なども影響は大きいといえます。
このような、課税・規制など企業全般に影響を与えるような政治政策のほかに業界ごとに影響を与える政策もあります。民主党の「セメントから人へ」政策で、建設業界は大きい影響を受けています。子供手当てで「子供関連産業」にはプラスとなっていますし、「高速道路の無料化」政策も悲喜両面が生じています。
このように、国家全体として政治を見る場合、資本主義が維持されるかどうかが最重要です。次いで、企業全体に影響を与えるような税制、規制など、そして、業界ごとの動きに分けて考えればよいでしょう。要は、最終的には、政治の動きが企業業績に対しどのように影響するかという視線で判断すればよいでしょう。
以前、自民党時代は企業寄りでしたから、ご指摘のように、「政治に売りなし」だったと思います。今は、社会主義ではありませんが、政策の重点が企業から庶民に移っています。以前に比べると企業には活動し難くなって来ているのではないでしょうか。