Q.「私は男性投資家の初心者です。株式投資とは「美人投票」と教えられました。しかし、自分のタイプの女性と同じように、銘柄も自分の好みで選びたいのですが?」 |
そうです、そうです。自分の大切なパートナーとなる女性は、自分のタイプの女性でなくてはいけません。テレビでおもしろい実験を紹介していました。数名の男性に1週間アンダーシャツを着用してもらいます。その汗のついたシャツを数名の女性に順番に臭いを嗅いでもらう、というものです。
当然、「うわぁ、臭い」という女性。ところが、すべての女性が嫌がるか、というと、そうではありません。「この臭いは好み」という女性がいるのです。ゲストのドクター氏の解説によれば、「臭いを、遺伝子が好きか嫌いか決める」というのです。その女性の遺伝子が、この男性となら子孫を残したいと、判断するのだそうです。
ましてや、株式投資。遺伝子に負けぬように、自分の好み銘柄を選ぶ心意気は、すばらしいことです。ただし、株はちょっと厄介です。好きな人を決めるのは自分だけの問題です。しかし、株の場合はそうはいきません。自分だけが、良いと思っても上がってくれません。外国の投資ファンドのように、惚れた会社にカネの力で従わせる。そういうのも無いとは言いません。しかし、一個人にはそんな資金力はありません。結局、他の多くの投資家もその銘柄を良いと思って買ってくれないと上がってくれません。株は需給関係ですから。
この点に、株が美人投票といわれる理由があります。「多くの人がその女性を美人と思うかどうか」。「多くの投資家がその銘柄を良いと思うかどうか」ということです。もっとも、銘柄選びの最初の段階では、大いに自分好みの銘柄を選ぶことは賛成です。『知らないものには手をだすな』といわれるくらいです。親しみのある自分好みの銘柄を日頃からピックアップすることは良いと思います。ただし、その銘柄を実際に買おうとする場面では、この「美人投票」は大切です。「今のタイミングで多くの投資家が有望と見ているかどうか」です。それが「人気」というものです。いくら自分が好みで良いと思っても、今、人気がないなら、その銘柄に上がることを期待することは無理です。