Q.「最近、ニューヨーク相場を見るのに、NN倍率が大切と言われます。NN倍率はどのようなもので、どのように使うのですか?」 |
日経平均の頭文字の「N」と、ニュ−ヨークダウの「N」を採ったものです。両方の単位を外して、「日経平均」÷「NYダウ」で計算します。
たとえば、09年5月8日のケースでは次のようになります。日経平均9432円、NYダウ8574ドルでしたから、9432÷8574=1.10倍となります。つまり、日経平均がNYダウの約1割上に買われていることを表しています。
この数値は何倍が適当か。これに対する答えはありません。過去のデータに照らし合わせて判断の目安にします。たとえば、筆者が証券界に入った昭和42年頃は,NN倍率は10倍程度でした。NYダウに対し日経平均が10倍も高く評価されていました。
この背景には、当時の日本が高度成長経済時代だったことがあります。アメリカに比べて日本の経済成長が大きかったからです。A・Bを比べて成長の大きい方が倍率は高くなります。今の日本と中国の経済成長の差のような関係です。
日本に比べて早く成熟経済に入ったアメリカ。そして、現在は日本も成熟経済を迎えたことで、NN倍率が小さくなっているのです。昨年、アメリカの金融不安が起きたときは、NN倍率は1.3倍程度でした。その後、今年2,3月には日本の内需不振からNN倍率は0.96倍程度まで下がっていました。
今後、日米どちらの国の経済が大きく回復するかにかかっています。日本の回復が大きいとなれば日経平均が優位となり、NN倍率は拡大するはずです。逆に、アメリカが日本を上回る回復となればNN倍率は縮小となるでしょう。
ここ数年は0.9倍台〜1.3倍台で推移しています。当面はこのデータをベースとして、1倍を切ってくれば日経平均が割安で見直しが予想され、1.3倍程度になれば日経平均割高と判断してください。