Q.「バリュー株投資って何ですか。投資する場合の注意点は?」 |
価値ある割安株だが、相場の天井圏で動く習性がある
バリュー株とは直訳すれば、「価値ある銘柄」です。企業の実力に比べて株価が割安に置かれている銘柄です。割安かどうかを見る場合の代表的な方法は次の通りです。「1株利益」、「1株当り配当金」、「1株当り純資産」と、「株価」(株価も当然1株当りです)を、それぞれ比較することで判断します。
1株利益と株価の比較は「PER」(単位・倍)、配当金と株価の比較は「利回り」(単位・%)、1株当り純資産と株価の比較は「PBR」(単位・倍)です。これらの3つの投資指標を「マーケット全体平均」、「所属する業種平均」「同業類似銘柄」などと比較することで割安かどうかを判断します。
たとえば、ある1部上場銘柄のPERが12倍だったとします。1部市場平均のPERが20倍、当銘柄の所属する業界平均のPERは15倍、当銘柄と類似した銘柄はPER16倍だったとしますと、明らかにその銘柄は割安と判断できます。利回り、PBRについても同じように比較を行い、割安度をチェックします。
割安と判断できた場合、投資する際に注意することは、「深追いしないこと」です。マーケットは、多くの投資参加者によって成り立っています。つまり、成立している株価には妥当な理由があります。それでも、平均より割安というケースでは、ほとんどの場合、「人気性」が原因です。
株価の人気性については別項目で取り上げますが、要は多くの投資家が競って買いたくなるような銘柄ではないということです。従って、マーケットにおいて常に後回しにされやすい銘柄です。このため、バリュー株のことを「出遅れ銘柄」と呼ぶ人もいるほどです。
マーケット全体が上昇を続け、高値波乱となってきた時に買われるのが出遅れのバリュー株です。出遅れ・バリュー株がマーケットの主役となれば良いのですが、先行した人気銘柄が高値波乱から下落に転じれば、出遅れ・バリュー株も一緒に下げてしまうのです。『出遅れ株は深追いするな』、『出遅れ株の命は短い』という相場格言もあるのです。