Q.「出来高と売買高はどう違うのですか。指標として見る場合、どのような点に気をつけておけばよいのでしょうか?」 |
一般的には出来高で表されますが、取引所等では売買高で表します。取引所は売買が成立した場合、買い注文を出した業者、売り注文を出した業者の双方から手数料を徴収するためです。
もちろん、顧客の注文を仲介する証券会社(正式には金融商品取引業者)も、買い手、売り手の両方から手数料を受け取ります。しかし、社会一般的に「商い」、というときは、物々交換ではありません。お金と物、サービスの引き換えです。1本100円の大根を売る時、大根1本と100円玉を引き換え、今日は50本売れたと表します。この50本が、「商い量」であり、「出来高」です。こうした社会一般のならわしで株の場合も商いの成立した株数を出来高として表しています。データ、指標として使う場合、特に出来高でも売買高でも問題はありません。
ただ、投資の際には、出来高と売買高では、意識、考え方の点でかなりの差があります。買い手の反対側には、必ず、売り手が存在する、ということです。この点では、出来高というより、売買高の方が、売り手と買い手という、両方の捉え方で考えることができます。とかく、株式投資に際しては、投資家の多くは、「買うこと」ばかりを考えることが身についています。買うことで頭がいっぱいとなるため、バスに乗り遅れまいとして、高値掴みをやってしまうのです。
たとえば、今日、ある銘柄が100万株の大商いをやった、ことを「すごい」と受け取るか。あるいは、100万株買った人の反対側には100万株売った人もいるのです。その売った人が、どのような理由や気持ちで売ったかを推しはかることもたいせつです。昨年からの、下げ過程での優良銘柄の大商いには、実は、外国投資家の大量の売りがあったためです。