Q.「投資期間は20年くらいの長期が良いという意見もあれば、今日買ったら明日まで持たないのが良いとも言われます。どちらを信じたらよいのでしょうか?」 |
そうですね、以前ですと、文句なく10年とか20年の長期が成果は大きかったと言えます。計算したわけではありませんので正確かどうかは分かりませんが、以前、大手証券の役員氏に聞いたところでは、1950年当時の東証再開時に松下電器(現在のパナソニック<6752> )を70円台で1000株買って、持ち続けていたら昭和40年代後半には十数億円になったと言う話でした。
なぜ、このように大きく儲けることができたかと言いますと、(1)当時は額面(当時は50円)での株主割当増資が主で株主は株数増加の恩恵が大きかった、(2)日本が高度成長経済で業績が大きく伸びた、ことがありました。ところが、昭和44年の三光汽船による完全時価発行公募増資となって様子が変わりました。
従来、額面50円で発行されていた増資が、たとえば1株1000円といった高い値段での発行となったことがあります。しかも、日本は徐々に成熟経済に入り業績が伸び難くなったことがあります。特に、最近では新製品を開発発売してもすぐに他社にマネされ先発のメリットは薄れています。加えて、消費者の好みも多様化したことで、商品のライフサイクルが非常に短くなっています。
こうした理由から、かつてのような10〜20年の長期投資はあまりお薦めできません。かと言って、今日買って明日売るのも、時間に縛られて、人生を愉しむ余裕がなくなります。最近の相場サイクル、景気サイクル等を見ていますと「3年くらい」の中期投資が一番適しているのではないでしょうか。ましてや、高齢化時代を向かえ、60歳を過ぎた人に長期投資が良いといっても、20年後に儲けた資金で旅行といっても無理があります。年齢のことも考えると3年程度のサイクルがよいと思います。