Q.「株は危険で怖いと聞きます。今度のサブプライム問題による世界株安を見ていると、やはり、そうなのかと思いますが、いかがでしょうか?」 |
怖いのは株だけではありません。この世で、リスクのないもの、怖くないものなんて存在しないのではないでしょうか。一歩、外に出れば車の事故、電車の事故、飛行機は事故が起きると多くの犠牲者が出ます。最近は通り魔事件も沢山起きています。残念ながら人間、生きている限り、危険と背中合わせです。
太古の昔はもっと危険がいっぱいだったと思われます。恐竜に襲われたり、肉食獣に狙われたり大変だったと思いますよ。リスクだなんて、生易しいものではなかったはずです。食べられてしまう危険だったのですから。しかし、文明を発達させ武器を手にした人間はこの地球上では最強の生き物です。
しかし、危険やリスクからは逃れられません。環境破壊による自然界からの脅威、あるいは病気やウイルスなど。さらに、豊かになった人間社会においては、人間自体が犯罪を犯します。もっと、身近なところでは、入社したら、どんな上司の下で仕事をするか分からないリスクだってあります。学校へ入れば、いじめっ子がいるリスクだってあります。
くどくど言いましたが、これほど、人間がリスクに囲まれているのに、なぜ株だけが怖いもの、リスクがあるものというのでしょうか。おかしいと思います。
つらつら考えるに、日本では「貯金が全て」という教えがあったように思われます。質素・倹約で蓄える。資源のない日本にとっては、大切な生活スタイルだったと思います。しかし、今や日本は資本主義の国です。鎖国の国ではありません。株式を発行して資金を調達して事業を展開する国です。それでいて、「株は悪」などと言っていたら、日本の優秀な企業は外国に乗っ取られてしまいます。
株は上がったり、下がったりします。そのことが悪者扱いにされているようです。しかし、変動するのは株だけではないはずです。土地はもっと激しく変動します。最近は給与だって変動する時代です。人は、こうした変動に対し、学び、変動のリスクから身を守ります。病気や災害などのリスクから身を守るのとまったく同じです。株投資だって同じです。危ないことだけを強調するのではなく、上がったり下がったりすることが当たり前と受け止めて、むしろ、その変動を活用した投資を研究したいものです。