Q.株式投資では「株数」重視がよいのでしょうか?、それとも「値幅」狙いがよいのでしょうか? |
このことは、商売でも株式投資でも似ていることですが、ご本人がどちらのタイプかということが大切と思います。性格的に、「大きく動くものが好き。小幅でちまちま動くものは嫌い」という人もいらっしゃいます。反対に、「荒い動きは苦手。小幅でも着実なのが好き」という人もいらっしゃいます。体格の差から来ることもあれば、育った地域性、両親の教えなどに起因することもあると思います。人それぞれです。こればかりは、完全にその人の好き、嫌いの問題です。ご自身の好きなほうを選ばれたらよいと思います。
株の場合、売買代金=株価×株数です。一方、経営の場合は、売上金額=単価×数量です。単価を重視した経営を一般に「利益率経営」、数量を重視した経営を「回転率経営」と呼びます。利益率経営では、数量は多くは出ないが、単価の高い製品が中心となります。たゆまぬ技術研究によって、他社のマネのできないものを開発することで高単価が実現します。
回転率経営では一般的に言われる薄利多売式の、右から左への販売が中心です。このタイプでは、ムダな資産、在庫を持たず「資産回転率」を高めることが非常に大切です。ファッション製品が流行遅れで売れなくなり、在庫処分損を出すのは、このタイプです。
まず、あなた自身が、どちらのタイプの性格で、且つ、どちらのタイプの企業に投資するかを見極めることが重要です。「値ガサ株」といわれる銘柄は、利益率型経営タイプに多く、株価の値動きはかなり激しくなります。「低位株」といわれる銘柄は、回転率型経営タイプに多く、株価の動きも比較的穏健です。ご自身の性格が激しいタイプなのに低位株を選んだのではうまく行きません。反対に、おっとりタイプなのに値ガサ株を選んだのでは成果は上がらないと思います。「似たもの夫婦」ともいわれるように、自分の性格にマッチした銘柄選びが成功の近道でしょう。