Q.年配者に聞けば「罫線」が優れているといわれます。しかし、多くの投資家の方は「チャート」が良いと言われます。両者にはどのような違いがあって、どちらが優れているのでしょうか?。 |
どちらが優れているかと言われると、今の世の中では、明らかに「チャート」に軍配が上がるでしょう。筆者も若い頃、毎日、手書きで、鉛筆と定規を使って、「罫線」(ケイセン)を描いていましたが、とても疲れます。日々の株価(日足といいます)をグラフ用紙に描くのは、1人では、いくら頑張っても50銘柄が限界です。このため日足を止めて、1週間に1度だけ描けばよい週足に変えてみたりしました。しかし、週足でも300銘柄が限度でした。
このように、「罫線」は、もともと手書きにより、大阪堂島の米相場の時代から伝えられてきたと言われます。米の価格の動きを場帳(ばちょう)へ筆で描いたといわれます。当時は取引中の高い値段と安い値段を1本の縦線で描いたようで、そのことから「罫線」と呼ばれている、ともいわれます。その後、その日の取引の始値、高値、安値、終値の4本を組み込んだ「ローソク足」となって、株価にも使われ今日に続いています。
コンピュータの発達によって、1部市場銘柄から新興系銘柄まで、全銘柄を日々更新するのに10分もかかりません。もちろん、日足のほか週足、月足の更新も短時間で可能です。特に、コンピュータが得意とする、「移動平均線」との関係で株価をウォッチすることが今では中心となっています。
「罫線」も「チャート」も4本足の「ローソク足」が基本となっているため、両者には似通ったところはけっこう見受けられます。たとえば、「三空」といって、マドを空けた動きが3つ出たりすると相場の天底になりやすい。これは、罫線でもチャートでも重要な点です。両者の違いをひとことで言うなら、「罫線」がどちらかというと、比較的局部的な動きに重みを置いてウォッチするのに対し、「チャート」は大きな流れ、傾向を重要視します。
チャートには海図という意味があります。投資という航海には海図(チャート)が必要という考えです。景気と株価の関係等もチャートの方が捉えやすいと思います。