Q.「噂で買って事実で売るってホント?」 |
短期投資には当っているが、長期投資には当てはまらない
比較的短期の相場においては、その通りだと思います。新製品、新技術、増資、M&Aなどの不確定材料は、事前に発表できません。新製品の開発には、部品の開発など、関係先が多くなるほど、どうしても情報が噂として流れます。こうした材料を知り得る立場の人が先買いすれば、「インサイダー取引」違反ですが、情報が次々と広まれば、マーケットで言う「噂買い」です。大阪には「噂が花咲く夢通り・・・・」という歌もありますが、まさに、株式マーケットは噂が大好きな所です。もちろん、「噂を信じちゃ、いけないよ」という山本リンダさんの歌もあります。噂を材料に、「相場操縦」をしない限り、噂で買って、儲けようが損しようがその人の自己責任です。
「噂」は、「期待」と解釈することもできます。噂が、どんどん膨らんで、期待が大きくなるほど相場も大きく膨らみます。そして、実際に発表。ほとんどの場合は、「実際」より「期待」の方がはるかに大きいものですから、発表と同時に「期待はずれ」→「材料出尽し」→「発表売り」となります。
「業績」についても同様です。最近は、企業のホームページでIR欄を開けば、「決算発表予定日」が記してあります。この発表日を目指して、各社アナリストの予測数値が飛び交います。資格のあるアナリストが予想しているのですから、噂とは言いませんが、企業が発表していない以上は、「正式発表」ではありません。ここでも、期待が大きいほど、株価も大きく買われます。そして、実際の発表数字が予想を下回れば、株価は下がります。予想通りであったとしても、事前に期待が大きいのですから、いわゆる「発表売り」(事実で売る)ことになります。特に、決算の場合、「四半期」を目安として売買されている人には、「事前の予想・期待で買って、発表で売る」スタイルだと思います。
一方、中長期投資の人は、むしろ、事前の噂、予想よりも、発表された事実を基に投資を考えます。発表された数字の持つ意味合い、つまり、過去のその会社の数字と比較して傾向的に上向いていると判断すれば、長期の運用銘柄として自分の資産ポートフォリオに組み入れて行きます。長期投資の人は、「噂」より「事実」を優先します。