Q.銘柄研究には1〜2銘柄をじっくりと取り組むのがよいでしょうか。それとも、多くの銘柄を見るのがよいでしょうか? |
最初は数多くがよいと思います。投資経験が増してくれば、好みの銘柄、あるいは馴染みのある銘柄などに絞って取り組むのもよいと思います。もちろん、投資経験を積んできた場合でも、「短期投資」か、「長期投資」かによって研究にかける時間も違ってきます。
たとえば、その会社のファン・株主となって、長期に保有しようとする場合は、営業報告書を取り寄せ、経営者の生の声を聞き、時には工場見学に出かけてみるくらいの研究が必要です。そこまでやれば、プロの機関投資家にも負けないくらい詳しくなると思います。
ただ、『恋と株は惚れたら見えなくなる』とも言われます。熱が入りすぎるあまり周囲が見えなくなります。株の場合なら、仮に、その銘柄に詳しくなったからといって、今の局面、あるいは社会環境の中で活躍するとは限りません。むしろ、動かない時の方が多いくらいです。
従って、投資対象とする銘柄が全体の流れの中で、どういったポジションにあるかを知ることが非常に大切です。たとえば、「今動いているテーマは何か」、「今動いている銘柄は値ガサ株か低位株か」などです。流れにそぐわない銘柄を研究したのでは成果は得られません。
短期的であれ、長期的な流れであれ、数多くの銘柄をウォッチしていないと、その銘柄のポジションはつかめないと思います。詳しく研究するのではなくても、少なくとも1週間に1度は全銘柄のチャートを眺めることが必要です。その上で、自分の投資対象に選ぼうとしている銘柄がどのような位置にあるかを確認することが大切です。
山中に籠もって修行するやり方もあるでしょう。しかし、銘柄(企業)が社会の一員であることを考えれば、常にその銘柄の社会・マーケットにおけるポジションを掴むことです。この意味ではベテランとなっても、できるだけ多くの銘柄をウォッチすることをお薦めします。