Q.民主党政権がごたついている。小沢幹事長を検察審議会が起訴相当と議決。普天間基地の移設問題でも揺れている。相場への影響はないか。 |
基本的には大きな影響はないとみていい。たとえば、会社の経営において、経営者同士のいさかいがあっても、そのことが、最終的に、企業業績に影響を及ぼさないかぎり致命的な売り材料にはならない。しかし、仮に、社内の内紛が拡大して、信用力が落ち込み、営業活動が停滞し、業績がダウンして、減配するような事態にでもなると株価は急落する。
政局においても、日本株式会社の貿易が大きく落ち込むようなことにならなければ、政局のごたつきは、売り材料にはならない。ただ、タイのように政権対立が激化するようになると心配。観光収入は減り、タイへの進出企業も引き揚げる心配がある。そのようなことにでもなれば経済的に成りたたなくなる。
仮に、日本が普天間問題でアメリカとの間がぎくしゃくして、これに乗じた形で国境に緊張が高まるようだと海外マネーは日本から引き上げる可能性はある。また、一方で、ギリシャの債務超過問題も他人事ではなくなりつつある。日本も多額の借金を抱える。今の政権が、このまま、収入より支出に重点を置いた政策を採り続けると、日本国の財政は非常に危険となる。国債利回りは急騰する。国民の金融資産でまかなってきた国の借金も国民に頼れなくなり、それどころか、国は返すことができないという状況も予想される。
短期的には、株価は政局を売り材料とはしないだろう。幹事長の政治資金問題は、会社の経営者の中でいえば、乱行が目立つ、という受け取り方だろう。代えることだってできる。しかし、問題は、中長期的には、仮に、小沢さんのあとが誰かになった場合でも、民主党の政策が日本株式会社の「収入」を増やすことができるかどうか。このまま、支出ばかり増やす政策かどうか。この点が非常に重要になってくる。また、財政赤字にどのように手を打つのかを見詰める動きだろう。既に、小沢さんが、辞める辞めない、の問題ではない。民主党政権がどのような経営方針を打ち出してくるか。国家は収入なくしては成り立たない。マーケットはこの点を見詰めるものとみられる。