Q.「株は先を読むといわれるが、何について、どのくらい先を読むの?」 |
■「経済の健康状態」によって先を読む期間は変わってくる
株は先を読んで動きます。なぜでしょうか。答えは明瞭です。人と同じでは儲からないからです。人より1歩でも2歩でも先を予測すれば儲かるチャンスが拡大します。
身近なところでは、「あそこに新しい道路ができるそうだ。土地の安いうちに買っておこう」と。しかし、残念ながら、この手の話は一般では無理です。プロの不動産業者が早々と手当て買いしています。
株でも、証券取引等監視委員会ができるまでの昔は似たような話がありました。「どこそこの会社が増資するようだ」といったインサイダー情報です。もちろん今は、インサイダー取引はご法度です。
では、「何について」、先を読めばよいのでしょうか。もちろん、株価形成の基本となる「企業業績」です。ただ、企業の情報は公平に公開されることが大前提ですから、「内緒」の情報を手に入れることに頑張るのではなく、発表された情報を「解釈」することが大切となります。
そして、もうひとつ、企業業績に影響を与える国内外の政治、経済、金利、為替などの動きを予測することが大切となってきます。
たとえば、今なら、8%の経済成長をキープするために、公共投資、減税を行おうとしている中国の景気がいつ頃から回復してくるかを予測すれば儲けることのチャンスが出てきます。
次に、株はどのくらい先を読むか、ということですが、これは、投資家がどこまでガマンできるか、ということと、目の前の大きい材料と先行きの材料との綱引きがポイントとなります。
たとえば、現在は企業業績の悪化が目立ちます。これが最大の悪材料です。少しくらいの好材料では受け付けないほどです。従って、このような時に、2、3年先に中国の景気が回復する、連れて日本の景気・企業業績も良くなる、と言っても無理な話です。
■経済が健康なら半年から1年だが、集中治療室状態なら1ヶ月先も無理
このように「現実の景気・企業業績が、あまりにも悪い時」は、1年先どころか2、3ヶ月先を読むことだって無理です。入院患者が、命の危険な状態にある時に、退院した後のことは考えられないのと同じです。集中治療室から一般病棟へ移り、食欲も出てきた時に、退院して元気になったときの姿を想像するのです。
一般に株は半年から1年先を読むといわれます。しかし、それは、景気・企業業績が巡航速度のときです。経済、景気などの置かれている状況、経済の健康状態によって、先を読む期間が変わってきます。